こんにちは!
私は、管理戸数10,000室を超える管理会社に従事しているサラリーマン管理人です!
日々、入居者やオーナーの悩みを解決する
仕事をしております。
管理会社には日々様々なクレームが届きます。その中でも最も厄介なクレームの一つが『騒音問題』です💦
読者の中には『夜中ドンッドンッという音がうるさくて眠れない』という方や
『早朝、ガラガラという音で起きてしまう…』という方はいらっしゃるのではないでしょうか?
騒音のツラさは経験しないとわからないものです。実際に被害にあったことのない担当者が対応すると、
行動が遅く一向に解決されないということもあります。
今回は、実際にあった事例から解決に至った経緯をご紹介します。
目次)
1.クレーム発生!その内容とは…?
2.初動対応 ~ 実際に対応した記録
3.最終決着。 まさかの結末と再発防止策
1.クレーム発生!その内容とは…?
≪神奈川県、某アパート201号室にお住まいのA子さんからのクレームです≫
A子さんは30代女性で、以前住んでいたマンションでは上階からバタバタといった足音に悩まされ、当社管理物件(2階建て・木造アパート)最上階のお部屋にお引越しされました。
入居後、ほどなくしてA子さんから騒音についてのお電話がありました。
「下の階の入居者が深夜にドンドンという何か作業している音と早朝に、窓を勢いよく開けたり閉めたりするバタンッという音で目が覚めてしまい寝不足になり困っている」
とかなりお怒りでした。
上の階がうるさいという騒音クレームはよくありますが、下の階から騒音はあまり聞かないので驚きましたが、詳細な「時間帯」と「音」の種類をヒアリングして電話を切りました。
2.初動対応 ~ 対策記録
101号室の入居者は、50代男性(息子)と70代女性(母)の2人入居です。
≪対応①≫ 直接、入居者に注意の呼びかけ。
・具体的な日付・時間帯・音を伝えその時間に何かしていたか確認。
・集合住宅のため、深夜や早朝は細心の注意を払ってもらう。
≪対応②≫ 全部屋に注意文の投函と掲示。
・騒音元が真下の部屋であると決めつけてはいけない。
固定音は躯体を通して建物全体に響くため、特定が難しい。注意文は全入居者に投函。
※騒音の注意文の参考例は近日中に公開します。
騒音の原因が自分自身だと気が付いてくれた場合は、ここまでの対応で収まります。
しかし、今回のケースでは、収まりませんでした。
≪対応③≫ お部屋の特定と防音対策工商品の取付け
・音が鳴った時に部屋の明かりがついているお部屋を確認し特定する。
・窓の開閉音は、『防音隙間テープ』を取付ける!
・ドンドンという音については直接両入居者と会ってお話を聞く。
3.最終決着。まさかの結末と再発防止策
両当事者に直接会ってお話を聞かせていただいた結果、
無意識に出している生活音だと判断しました。そうなると改善策もありません。
また、集合住宅である以上、多少の生活音についてはご理解いただくしかないです。
A子さんへ正直にお伝えをして、お引越しを
検討していただくこととなりました。
ほどなくして、A子さんのお部屋の更新時期になり案内の連絡をしたところ、
なんと更新するというお返事がありました。
『音の原因と悪意がないということが分かったので、すっきりました!
まだ気になるときはありますが、お部屋を気に入っているので更新します。』との事でした。
今では、下の階の入居者と挨拶する仲になったようです。
その人の「人となり」を知ることで、音にも許容できるようになったのだと思います。
最後に、『以前の管理会社はここまでしてもらえなかった。ありがとうございます。』
と嬉しいお言葉をいただきました。
【まとめ】
- 騒音の詳細なヒアリングをする
- 騒音元を決めつけず建物全体に周知する
- 音の場所を突き止めて対策をする
- 両当事者に直接会って話を聞く。
- 引越しを検討してもらう
管理会社がここまでしてくれない場合、自分自身でやるしかないです。
そういう方の参考になれば幸いです。
(執筆者プロフィール)
2020年 管理戸数1万室を超える東京の不動産管理会社に就職。クレーム対応をするメンテンス管理部に配属。
資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・FP2級・簿記2級